本年度のものづくり補助金のポイント~令和4年度2次補正予算関連~

本年度のものづくり補助金のポイント~令和4年度2次補正予算関連~

今月、ものづくり・商業・サービス補助金(ものづくり補助金)の「令和4年度第二次補正予算関連」に関する資料が中小企業庁より公表されました。

また、14次締切分の公募要領も公表されました。

中小企業生産性革命推進事業(令和4年度補正予算額2,000億円)として予算計上されており、この中にものづくり補助金が含まれています。つまり、本年度以降もものづくり補助金は継続されます。

なお、中小企業生産性革命推進事業にはものづくり補助金の他、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金が含まれています

以下に簡単にポイントを解説させていただきます。

  ■今年1回目のものづくり補助金(14次公募)は、令和5年1月11日(水)から開始されています。   

14次公募の応募締切は3月24日(金)、採択発表は令和5年6月中旬頃予定です。

■今後のスケジュール案として、その後も令和6年度まで15次、16次、17次・・・と切れ目なく公募が実施予される予定です。

  ■介護事業の生産性向上を支援のため、補助対象事業者に社会福祉法人が追加されました。  

  

  ■これは従来からの継続ですが、補助上限額が従業員数により異なります

具体的には、通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠・デジタル枠の補助上限額は、5人以下:750万円、6~20人:1,000万円、21人以上:1,250万円となります。

大幅賃上げに係る補助上限額引の特例が設けられました。大幅な賃上げに取り組む事業者については、申請枠に関わらず、一律で補助上限が引き上げられます

具体的には、基本要件に加えた追加要件として、以下の全ての要件に該当するものであることが求められます

※追加要件を満たさない場合、大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例を適用しない取扱いとなります。

(1)事業計画期間において、基本要件である給与支給総額を年率平均1.5%

以上増加に加え、更に年率平均4.5%以上(合計で年率平均6%以上)

増加とすること。

(2)事業計画期間において、基本要件である地域別最低賃金+30円以上の水

準とすることに加え、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で

最も低い賃金)を毎年、年額+45円以上増額すること。

(3)応募時に、上記(1)(2)の達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画

(大幅な賃上げに取り組むための事業計画)を提出すること。

上記の追加要件を満たした場合の補助上限額の引き上げ額は、下記の通りです。

従業員数 5 人以下 :各申請枠の上限から最大 100万円引き上げ

6人~20人:各申請枠の上限から最大 250万円引き上げ

21人以上 :各申請枠の上限から最大1,000万円引き上げ

この特例には下記の通り、基本要件の返還要件に加えた追加の返還要件がある点にも注意が必要です。

・給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標に加え、更に年率平均4.5% 以上(合計で年率で6%以上)の増加目標が達成できていない場合は、補助金交付金額から各申請枠の従業員規模ごとの補助上限額との差額分(上記補助上限引上額)について補助金の返還を求めます

 ・補助事業を完了した事業年度の翌年度以降、事業計画期間中の毎年3月末時点 において、事業場内最低賃金を申請時より毎年、年額+45円以上増加することが達成できていない場合は、補助金交付金額から各申請枠の従業員規模ごとの補助上限額との差額分(上記補助上限引上額)について補助金の返還を求めます

 ・事業計画期間において、常時使用する従業員がいなくなった場合には、補助金交付金額から各申請枠の従業員規模ごとの補助上限額との差額分(上記補助上 限引上額)について補助金の返還を求めます

私個人的には、この特例については、安易に飛びつくと返還義務もあるため、慎重に活用検討されることをお勧めします

グリーン枠が拡充されました。温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発や炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う事業者を対象に、温室効果ガス排出削減の取組段階に応じた3段階の支援類型(エントリー・スタンダード・アドバンス)が創設されました。高度な取組を実施している場合、補助上限額が最大4,000万円に拡充されます。

海外展開支援が強化されました。グローバル市場開拓枠として、中小企業の海外市場開拓を強力に支援するため、一部類型について、補助対象経費に新たにブランディング・プロモーション等に係る経費が追加されました。

■認定機器・システム導入型が新設されました。業種・業態に共通する生産性向上に係る課題を解決するため、認定を受けた設備・システムについて重点的に支援を行う類型が創設されました。今年度は、まず業種・業態に共通する課題を認定し、当該課題解決のための研究開発を促しています。認定を受けた設備等への導入支援は、次年度以降に実施が予定されています。

以上より、経済産業省系補助金は引き続き充実しているのが分かります。

岸本圭祐

㈱ケーズパートナーズ 代表取締役 中小企業の➀資金調達、➁経営計画作成・実行、➂スモールM&Aを支援している。

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