これまでの補助金申請は、紙での手続きが主流であり、大量の紙での申請や郵送等の手続きが煩雑であり、補助金を利用したい事業者が気軽に申請できる環境ではありませんでした。
そんな中、経済産業省は2019年12月24日、事業者の補助金申請手続きを効率化する補助金申請システム「Jグランツ」をリリースしました。
これにより公募から事業完了後の手続きまでをオンラインで完結できるもので、24時間365日、自宅や職場など、どこでも申請が可能となります。
「Jグランツ」では、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システム「GビズID」を採用しており、これにより、過去に補助金申請した情報が自動転記され、基本情報が自動入力されるなど、入力負担が軽減されます。
今回は、経済産業省が12月24日にリリースした補助金申請システム「Jグランツ」、Jグランツによる補助金申請メリット等について解説します。
■Jグランツとは?
2020年より補助金申請の手続きに、電子申請システム「Jグランツ」による電子申請が可能となります。
Jグランツとは行政手続き簡素化のためのシステムで、経産省の補助金申請、厚生省の社会保険制度、日本年金機構などで共通で利用できるものです。
「電子申請」とはインターネットを利用して申請・届出をする方法で、いつでも・どこでも手続きができます。
また、電子申請により郵送が不要となるため、書面で行う申請に比べて、異動や郵送等のコストが掛からず、法人情報や過去の申請情報を自動転記することにより、入力の手間の削減(ワンスオンリー)、ログイン時の認証機能により、書類の押印が不要等のメリットがあります。
世界的にも、補助金申請を含め行政のデジタル化が進展していることも踏まえ、経済産業省では、公募から事業完了後の手続きまでをオンラインで完結可能な汎用的な補助金申請システムJグランツを開発し、ワンストップ・ワンスオンリーによる補助金申請を実現し、事業者の利便性向上を目指しています。
■Jグランツによる補助金申請のメリット
Jグランツによる補助金申請のメリットは以下です。
・Jグランツに国及び自治体の補助事業が掲載され、ワンストップで、補助金情報を収集することができます。
・24時間365日、自宅や職場など、いつでも・どこでも申請が可能です。
・移動時間や交通費、郵送費などのコスト削減が期待できます。
・過去に補助金申請した情報が自動転記され、GビズIDにより申請者の基本情報が自動入力されるなど、何度も同じ入力をすることがなくなり(ワンスオンリー)、入力負担が軽減されます。
・GビズIDにより、書類の押印が不要となり、紙でのやり取りもなくなります。
・Jグランツ上でリアルタイムに申請状況や処理状況が把握できるため、手続きを迅速に行うことができます。
■GビズIDとは?
Jグランツを利用する際には、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムである「GビズID」を取得する必要があります。
GビズID(gBizIDプライム)とは、複数の行政サービスを1つのアカウントにより、利用することのできる認証システムです。
GビズIDにおいてアカウントを登録すると、このシステムにつながる行政サービスの利用が可能となります。
■Jグランツの利用対象補助金
同システムから申請できる補助事業は、経産省の2019年度補正、2020年度当初予算の27補助金で各省や自治体の補助金にも随時拡大されます。
もちろん小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業承継補助金等のメジャーな補助金はJグランツの利用対象補助金となります。
国の補助金申請等においては、今後ますますこの補助金申請システム「Jグランツ」が活用されていくことになると思われます。
電子申請に必要なGビズIDは、申請から取得まで2~3週間を要しますので公募開始前からのご準備をお勧めします。
岸本が代表を務める→株式会社ケーズパートナーズ
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