仕事柄、多種多様な業界の経営者のお話をお伺いします。
その中で上手くいっている経営者、上手くいっていない経営者が当然います。
それは経営者の能力や資質など属人的な部分も関係していますが、マーケット選びの時点で勝敗がハッキリと決まっているということに気づきます。
上手くいっている経営者は、最初から勝てる土俵で勝負をしています。
本日は、好業績社長のマーケット選びの5カ条についてご紹介します。
1.10年以上伸びている市場
バブルの頃の戦略は「みんなと同じことをする」で上手くいきました。
今は社長自身が狙って、伸びている市場で商売しないと上手くいきません。
具体的には、10年以上伸びている市場を探しましょう。
You Tubeなんかは一例かもしれませんね。
ユーチューバーは、随分前から目をつけて継続して今の地位を築かれている方も多いですね。
確実に10年以上伸びている市場でしょう。
狙って10年以上伸びている市場を探しに行きます。
短期回収を目指すのであれば、3年以上伸びている市場でも構いません。
ちなみに「業界地図」を見ると伸びている市場が分かります。
2.熱烈な愛好家がいる市場
地下アイドルをご存知でしょうか?
アイドル戦国時代と言われている近年に、メディアへの出演よりもライブを中心に活動しているのが地下アイドルです。
握手会やチェキ撮影も頻繁に行われ、ファンとの距離が近いことも人気の理由の一つです。
ホッケーマスクをつけている異色の地下アイドル「仮面女子」や、メンバーそれぞれの個性が光るパンク系ライブアイドル「BiSH」などの人気グループをはじめ、知る人ぞ知るデビューしたてのアイドルグループや、ソロとして活躍していた有名な地下アイドル「姫乃たま」などのライブアイドルです。
私は全く興味がありませんが、熱烈なファンがいるようです。
このような熱烈な愛好家が存在するマーケットを選びます。
3.高単価で売れる市場
売上は、「客数×客単価」で構成されます。
販売する商品・サービスが低単価ばかりだと中々、理想の売上に到達するのに時間がかかります。
大手なら良いかもしれません。薄利多売で沢山売れば大きな売上・利益になります。
しかし、小さな会社はそういうわけにはいきません。
すぐに売れなくても良いので、将来的には、3万→10万→30万→100万→300万→1,000万と高単価にできるマーケットで勝負しましょう。
逆に低単価でしか商売できないマーケットは選ばないということです。
これを考えることも事業戦略の一環です。
中小零細企業は、「スキあらば値上げ」です。
4.常に新しい問題が生じる市場
一回買ってもらって終わりではなく、時間が経過するとまた違う課題や願望が発生する市場を選びます。サステナブル=「持続可能な」市場を選びます。
5.支払い能力の高い層がいる市場
端的に言うと、お金を持っている人がいるマーケットを選びます。
これは、「3.高単価で売れる市場」とも少しリンクしますが、ここを外すと、資金繰りに追われることになるでしょう。
あくまでお金の支払者であり、ユーザー自体が必ずしもお金を持っている必要はありません。
例えば、学習塾は子供がユーザーですが、受講料を払うのは子供の親ですね。
プロの経営者は狙って、上記5つを満たす市場を狙いに行きます。
そう考えると怖いですね。
もう初めから勝負が決まっているようなものです。
漫画「北斗の拳」での名シーンに「お前はもう死んでいる」があります。
上記5カ条を全て押さえると、ある意味「お前はもう勝っている」となります。
この5カ条にあてはまらない事業はバサバサ切ります。
どれか一つでも抜けてはダメです。
この5カ条に当てはまるビジネスを展開するのが好業績社長です。
孫子の兵法にこんな言葉があります。
「勝ち易きに勝つ」
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
この常態を狙って作ります。
社長の仕事はこの儲かるマーケットを探すことです。
役員報酬とは、マーケットづくりの対価です。
お客様の新事業の立ち上げ、事業の見直し、撤退の判断基準などコンサルティングの中でもこの考え方を多く取り入れています。
これを徹底的に社長と一緒に考えます。
本日は以上です。
参考になれば幸いです。