「時中」とは、中国の古典「易経」において非常に重んじられる言葉の一つで、「時に中(あた)る」、つまり「その時にぴったりの」という意味です。
つまり、「時中」とは、その時にぴったりのことをするということです。
季節で例えると、春には種を蒔くことが春の時の解決策、秋に収穫し刈り入れすることが秋の解決策です。時中です。
冬には冬の時中(養生) を、春には春の時中(種蒔き)を、夏には夏の時中(育成)を、秋には秋の時中(収穫)ををすることによって、結果が得られます。
養、殖、育、産のサイクルです。
第6原則「時中を見極めよ」 – 中小企業診断士 岸本圭祐のブログ (kspartners.co.jp)
今回は、営業サイドの立場で見た時中について、考えてみます。
冬から始まります。
まずは初対面の段階です。
まだ信頼関係が十分ではない時は、「信頼関係を築く」ということに集中します。
そこで自分のできることとして集中すべきは、まずは売り込みをしないことです。
信頼関係がないのに売り込んでも仕方がありません。
だからスタートは信頼関係を築くという意味でのコミュニケーションを取ります。
この冬の段階ではじっくり養生をします。
信頼関係というメンタルの関係を養生します。
2番目は「見込み客の悩みを聞く」ステップです。
これからお客さんになるかもしれないという、関連性の高い関心を持っているお客さんの悩みを聞く。
信頼関係のない人に自分の悩みは話しませんね。
もしくは自分の願望についてもそうです。
その人の本当の願望か悩み。
願望と悩みを聞ける関係になる。これが春の種蒔きです。
お客さんの悩みを聞きます。そして、願望を聞きます。
それらを踏まえて今度は、そういった悩みや願望を聴きながら、自社の商品やサービス、リソースで解決できることを一緒に考えながら段々と関係性、信頼関係を深めていきます。
夏を過ぎて、十分に機が熟して、相手も時が来れば、どこかでなんらかの必要性が高まります。
「そういえば、〇〇さんの商品にこんなのがあったな。」
「あなたのところでこんな商品を扱ってましたよね?」
このような感じて問い合わせがあります。
相手が必要な時が来れば受注が成立します。
ここまでの地道な積み上げ型のプロセスを踏まずして、営業は中々うまく成り立ちません。
多くの成果の出ない営業パーソンはこの積み上げ型プロセスを軽視し過ぎです。
我慢できずに売り込んでしまい失敗していることが多いです。
時が来る前に信頼関係もないのに売り込みをするからお客さんが嫌がるのです。
まずは信頼関係を築く冬の段階(養生)、そして種を植える、見込み客の悩みを聞きます。聞き役に徹します。
次に育成、関係を深めて、徐々にお客さんに自分の会社の商品の良さを分かってもらう。
最終的に、時が来れば、競合ではなく自分のところを一番に思い出してもらう。
私は良く研修やセミナーの中では「脳内SEO」とお伝えしています。
お客さんに購買動機が出た時に一番最初に自社が想起されるようにすることです。
本日は「営業の時中」のお話でした。
参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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