コーチング、コンサルティングにおいて、コーチ、コンサルタントはあくまでサポート役、脇役であり、主役はクライアントです。
このスキルは、コーチングという特別なサービス提供の場面だけでなく、経営者が部下に対して話をする時に、経営者がコーチとなって、部下をクライアントと見立てて対話をする場面ということもできます。
上司が部下と話す時、あえてコーチの役割になって、部下の話をクライアントとしてずっと聴いてみると、非常に有効なマネジメントツールとなります。
本当に有効なマネジメントツールとなりますので、特に経営者には学んでほしいと思っており、これが昭和の時代、20世紀のマネジメントと大きく違うところです。
つまり、昔も今も、根性とかやる気ももちろん大事なのですが、根性論で長時間労働すれば良いという時代でもなくなってきて、価値観が多様になっています。そして、モノが余っています。昭和の初期の頃はモノがありませんでんでした。モノが足りない時代、たくさん何かを買うとか手に入れるということが主流の価値観で仕事の目的だった時代もあります。
しかし、今はそれほど単純ではありません。
今はインターネットの普及もあって、価値観が多様化した時代です。
例えば、家を買うとか、大きな車を買うといったことで満足を得られるような単純な人生観ではないのです。
若い人、部下や周りの人が何を考えているか、その価値観について理解を示すことが全ての第一歩です。
上司の価値観を押し付ける時代はもう終わったのです。
半沢直樹も昔の時代です。今はそういうことをやっていると、どんどんライバル企業に遅れをとるような難しい時代になっています。
したがって、特にマネージャー、経営者、上司こそが、そのようなコミュニケーションの考え方、あり方を180度変える必要が出てきます。
そういったことを踏まえて、聴くスキルがまず第一歩、もっと言うと、これさえできればコーチングの半分はできたも同然です。
聴くことができるということは、相手が心を開いて話すということです。相手が心を開いて話せなければ、何をやっても意味がありません。虚しいだけです。たとえ質問の技術を素晴らしいレベルで駆使しても、あるいは承認をしても、相手が心を開かなければ何の意味もありません。
よく言われることがありますが、口は一つしかないが、耳は2つあるのです。耳の方が大事なのです。
クライアントや部下のトークが8割、コーチ・コンサルティング、上司のトークは2割です。
聴くスキルは、質問するのではなく相手の話を聴くことそのものなので、なんとなくニコッと笑って黙っているだけにしか見えませんし、一見何をしているのか分かりません。しかし、すごく大事なことです。
岸本が代表を務める→株式会社ケーズパートナーズ
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