ものづくり補助金などの中小企業向け支援策では、しばしば採択要件として求められるキーワード。
それが「革新性」という言葉です。
聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、直近のものづくり補助金公募要領(13次締切分)5Pの「1.事業の目的」にはこのように記載されています。
『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数
年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイ
ス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作
品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。』
また、32Pの審査項目「(2)技術面①」にも次のように記載されています。
『新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデア
の活用等を含む))の革新的な開発となっているか。』
つまり、ものづくり補助金が採択されるためには、革新的なサービス開発・試作品開発・生産性プロセスの改善、『革新性ある取り組み』が必須項目です。
10年近く、ものづくり補助金の支援に携わっていますが、ずっと一貫してこの観点は求められています(補助金の名称は微妙に変更を繰り返していますが、中身はものづくり補助金です。)。
ものづくり補助金以外でも直接明記はされていないものの、根底にはこの革新性の観点が求められています。
私が事業者様より補助金申請のご相談を頂いた時に真っ先に確認するのが、この革新性の部分です。
お客様のやりたいこと、プランされていることをじっくりと聴いて、革新性があるかどうかを一緒に考えます。
場合によっては、補助金の活用がお考えの事業には適さない場合もあり、支援をお断りすることもあります。
設備の老朽化に伴う入れ替え投資などはこの革新性の要件を満たさないことになります。
では、革新性とはどういった状態を指すのでしょうか?
私はお客様に分かりやすく説明するときは次のように答えています。
「自社にとっても新たな取組であり、同業他社と比べても珍しい取り組み」
どうでしょうか?
「うちは零細企業なので、中々そんな取組みできません!」と聞こえてきそうです。
大丈夫です。安心してください。
革新的とは、何も世界・日本で最先端でなくても良いです・
自社の属する業界や地域、競合他社では「あまり一般的ではない」事業であれば大丈夫です。
中小企業は、日本全国がマーケットというよりかは、特定の地域でご商売されていることが多いです。
例えば、「大阪府内では革新的な取組みである。」、「東大阪市内では革新的な取組みである。」といった具合です。
自社の商圏、マーケットで革新的な取組であれば、土俵に上がるチャンスはあります。
補助金の採択に関わらず、新規事業を行う際には、この「革新性」について検討されることは大事です。
新たな取り組みをお考えの際の参考になれば幸いです。
本日は以上です。
本日も読んでいただきありがとうございます。
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