ダブルバインドは、アメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソンが提唱した概念で、「二重拘束」を意味します。
ビジネス上では二つの矛盾した命令を他人に与えている状態のことです。
例えば、部下が上司に「分からないことがあったら聞いて」と言われたが、いざ分からないことを聞いたら「自分で考えて」と言われた。
これがダブルバインドです。
ちなみにダブルバインドは、言葉だけではなく、表情などのノンバーバル(非言語)も含みます。
言葉ではプラスのことを発していても、表情などはマイナスの意味合いを発している場合などです。
これは日常生活でも頻繁に発生していると思います。
ダブルバインド状態になると、どちらに従っても片方の命令は聞けなくなってしまい、強い心理的な負担がかかるのです。
モラルハラやパワハラにもつながり、従業員のパフォーマンスにマイナスの影響をもたらしかねません。
ダブルバインドは日々の仕事で発生しやすく、従業員にストレスを与え、生産性にも悪い効果を与えてしまいます。そのまま放置すると、うつ病に発展する可能性もあり、企業として大きな問題になる前の対処が重要です。
ダブルバインド状態になると、従業員はどの選択肢を選ぶべきか判断に迷ってしまい、混乱してしまいます。
その結果ストレスを抱えてしまい、パフォーマンスが下がってしまう可能性があります。
従業員が自分の考えではなく、相手の様子を伺い、上司などの他人の判断を聞かないと行動しなくなる恐れがあるためです。
ダブルバインド状態が長く続くことで、うつ病など心の病の原因にもなりかねません。
そのため、ダブルバインド状態をならないようなコミュニケーションが重要です。
ダブルバインド状態にならないようにするには、上司側が等身大の自分を見つめ、できることとできないことを客観的に把握する姿勢をもち、自分がダブルバインドにするような発言をしていないか、確認することが大切です。
また、部下であっても高圧的に指示をするのではなく、敬意をもって接する姿勢が求められます。
ときに自分ができないことを認め、相手と相談しながら解決策を模索する姿勢も大切です。
上司が部下に対してできないことを認めることは勇気が必要なことでしょう。
しかし、そのようなステップを経験することで、上司の成長にもつながります。
一方、自分が「ダブルバインド状態になっている」と思った場合は、周りに相談してみることがおすすめです。
相談して、客観的な意見をもらうことで、新しい視点での解決策がもらえる、別の人に対処してもらえるため、心理的な負担が軽くなります。
特に上司や先輩社員からのダブルバインドは自分だけの力で抜け出すのは難しく、別の上司や同僚の力を借りることが重要です。
ただし、相談する際には信頼できる第三者に相談するようにしましょう。
信頼できない人の場合、相談した結果、ダブルバインド状態が強まる可能性もあります。
また、ダブルバインド状態の場合「AかBか」の選択を迫られがちですが、別の選択肢がないか検討することが大切です。
ダブルバインド状態に陥るときには、相手が感情的になっていることもあり、「怒られることが怖い」など、自分の感情によって、冷静な判断が難しい場合があります。
そのため、現状どのような状態なのか、客観的に判断するよう心がけましょう。
さらに、自分の気持ちを大切にすることが大切です。ダブルバインド状態になっていると、強いストレスがかかっているため、「相手の指示に従わなければいけない」「できなかった自分が悪い」と感じることがあります。
そのような感情はさておき、自分がどのような状況に置かれているかと、何を感じているかを分けてそれぞれ客観的に見つめることが大切です。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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