昨日の続きです。
士業、コンサルティング業の方々が「紹介してください」と既存顧客や関係者に対して依頼しても紹介してもらえない場合、【オール時価のジャンル不明の飲食店状態】になっていることが多いです。
例えば飲食店で、
①看板に飲食店と書いているが和食、中華等の判別がつかない
②どの料理がいくらなのか分からない
③料理がどれぐらいで出てくるのか、どんな味なのか分からない
となると勇気を出して入ってみても、注文するのに気が引けてしまいます。
これを士業、コンサルティング業に置き換えると、
①名刺や販促ツールにどんなことが得意といった記載がない、
②パンフレットや価格記載したメニュー表がない、
③納品手順と導入後の成果イメージが分からない
といったことになります。
これでは紹介する方としても、紹介し辛いので紹介できなくなります。
しかし、これを解消するのはそれほど難しいことではなくて、
①自社の得意分野を決定する
②パンフレットと価格が記載したメニュー表を作成する
③納品手順書を作成する
④導入後の成果のイメージを作成する
ことで達成できます。
その前提となるのは、【誰に】【何を】【どのように】提供するのが自社売上・利益が最大化されるかを決めておく必要があります。それを一般的には事業ドメインと呼びます。
事業ドメインは、自社が経営を行うにあたっての範囲を決める重要な要素です。
ドメインを設定するにあたって有名な理論として「エーベルの3次元」があります。エーベルの3次元とは、1980年にデレク・エーベルが著書「Design The Business(事業をデザインする、邦題:事業の定義)」の中で提唱した事業領域の定義フレームワーク「エーベルの三次元事業定義モデル」(Three Dimensional Business Definition Model)のことで、端的に事業ドメインを設定するフレームとして今も利用されています。
ドメインを設定するにあたってターゲットが広すぎると競合が多くなり、狭すぎるとそもそも顧客がそこに存在するかどうか分からない、といった事象が起きます。
ドメイン設定については、私の紹介営業研修やコンサルティングの中でも重要なテーマとして、しっかりと時間を確保してじっくりと設定していきます。
場合によっては何度もやり直し、ブラッシュアップします。
ドメイン設定のコツとしては、【誰に】(ターゲット)に理想とする顧客を検討します。
次に【何を】(ニーズ)にターゲットに設定した顧客に対して、セールストークを検討します。通常はターゲットとしている顧客の抱えている悩み、課題といったことから勘案されるニーズを考えるのですが、そうなると難易度があがるので、セールストークを考えてもらうことで簡単に顧客の悩みや課題を定義してもらいます。
最後に、【どのように】(ノウハウ)にそのセールストークを言える理由(エビデンス)を書きます。現代人はエビデンスが大好きです(笑)。本来であればSWOT分析等を実施して書くのですが、難易度があがるのでセールストークを言える理由を私の研修やコンサルティングでは考えてもらうことで簡単に定義してもらっています。
例えばライザップのボディメイク部門でいえば、
【誰に】(ターゲット):何度もダイエットに失敗しながらも今回こそは短期間でダイエットしたいと考えている人
【何を】(ニーズ):必ず短期間で理想のボディが手に入る
【どのように】(ノウハウ):独自の食事制限と運動ノウハウ、
といったような具合です。
このドメインを設定しないうちに紹介をもらうことは非常に難易度が高くなってしまいます。紹介営業が上手くいかない人は、この事業ドメインの設定をすっ飛ばしていることが多いです。
まずは自社のドメインを設定し、販促物にそれを反映するところから始めましょう。
当然、1回設定して終わりではなくて、顧客にアプローチした結果や、紹介者からの意見を受けてスムーズな紹介を受けられるよう日々、改良改善を加えます。この事業ドメインが競争優位性と収益性が高いかどうかが、以降のあらゆる紹介営業のステップにおいても大きく影響してくることなので、継続的に見直す必要があります。
今回は、以上となります。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!
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