皆様ご承知のとおり、国や地方自治体、財団などでは、中小企業向けに多彩な補助金・助成金を準備しています。これらの公的支援策を上手に活用すれば事業拡大のチャンスをつかむことができます。また、補助金・助成金は融資とは違い、原則的に返済不要です。もし、効率的に補助金・助成金を活用できたなら、原則的には返済が不要な資金を事業に活用できることになります。この点が補助金・助成金を活用する最大のメリットです。 補助金・助成金の仕組みを知って、賢くご活用いただくために今回は、補助金・助成金活用術について掲載させていただきます。
■主に2種類の補助金・助成金がある
補助金・助成金は、大きく分けて2種類あります。
主に厚生労働省が所管する人材確保や能力開発等に関するもの、主に経済産業省が所管する技術開発や研究開発、ものづくり等に関するものです。
人材等に関する制度は、対象となる要件は厳しいものの、それらをクリアすると受給の可能性が高まります。
これに対して、技術・研究開発に関する制度は、対象は幅広いものの、採択率は例外を除いて比較的低くなっています。100社申請して、おおむね5~25社が採択されるといった現状です。
また、人材等に関する制度は、主に雇用保険が原資となっている一方、技術研究開発に関する制度の原資は主に税金が原資となっています。つまり、何らかの形で私たちが国に納めているお金が使われています。
■採択されやすい申請書の書き方ポイント
ポイント1.求められる要件はチェックリストに
公募要領には、何を目的に、どのような事業を支援するのかが、明確に記載されています。公募要領が求める要件の一つ一つを、チェックリストにして書き出しておくと便利です。
ポイント2.公募要領のキーワードを使って書く
自社の事業がいかに制度の趣旨に沿っているかを効果的に伝えるためには、公募要領に出てくるキーワードを使って申請書を作成するのも一案です。
ポイント3.自社の事業の社会的な意義をアピール
自社の事業がどれだけ多くの人の役に立つのか、つまり社会的な意義が大きいことも訴えたいです。例えば、高齢化や少子高齢化、女性の社会進出、生きる力を育むための教育など、社会全体の課題とつながる事業であれば、社会的な意義が大きいといえます。
ポイント4.まずは書式にとらわれずに書いてみる
事業内容を文章で伝えるのは難しいという声もよく耳にします。最初から格好良く書こうとすると、書けなくなってしまうため、自分自身が普段使う言葉で、まず書いてみましょう。次に、無駄な言葉や文章削り圧縮していきましょう。「まずは書いてみる。そして圧縮する。」これが、ゴールデンルールです。
ポイント5.専門用語は少なめに
選考担当者が自社の事業について専門知識を持っているとは限りません。ですので、つい使ってしまいがちな専門用語はできるだけ少なくして、誰が読んでも内容が分かるような文章にしていきましょう。私はよく申請支援の中では「小学4年生でも分かるくらいに簡単に説明してください。」とお伝えしています。
■自社のステップアップに有効活用する
補助金・助成金は、基本的には、企業経営のステップアップのために活用するものです。申請の作業が自社の事業や経営を見直すよい機会になったと振り返る経営者も沢山います。補助金・助成金の情報をしっかりと収集して、自社のステップアップに積極的に活用していきましょう。
岸本が代表を務める→株式会社ケーズパートナーズ
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