【育成就労制度(旧:外国人技能実習生)】企業評価書を求められたら

【育成就労制度(旧:外国人技能実習生)】企業評価書を求められたら

債務超過になる見込みなので、中小企業診断士の作成した企業評価書が必要と言われました。お願いできますでしょうか?

先日もある製造業の社長から依頼がありました。

このご相談当社によく頂くご相談です。

実は、当社が所在する関西圏以外のエリアからも実に多くのお問い合わせをいただきます。

今回の内容は、この「外国人材の受け入れに係る企業評価書」について解説したいと思います。

深刻な人手不足に対応するため、外国人材の受け入れを積極的に行う企業増加しています。

そんな状況の中、当社にも外国人材を受け入れしている企業様から企業評価書の発行依頼をいただくことがあります。 

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律があります。

その中で、技能実習制度の運用に必要な事項を定めた「技能実習制度運用要領」というものがあります。

そこでは、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護」に関する取り決めが記載されています。

実は、この取り決めが平成29年に一部改正されて、

その中では、

直近の事業年度で債務超過がある場合、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書類の提出も必要。」

と定められました。そのため、当社にもご紹介やWEB上のお問い合わせを通じて、様々な外国人受け入れ企業様から企業評価書の作成を頂きます。

ここで少しだけ、外国人技能実習制度の簡単なおさらいです。外国人技能実習制度は、新興国への技術移転を目的として1993年に始まった制度です

結論から申し上げますと、足元では「外国人技能実習制度」は廃止され、新たに「育成就労制度」に名称変更されることになりました。

旧:「外国人技能実習制度」では、

技能実習生が職場を変更する「転籍(いわゆる転職)」が原則として認められていなかったため、職場の環境になじめず失踪する技能実習生が相次ぐなどの問題がありました。

また、旧:「外国人技能実習制度」の目的は

人材育成を通じた国際貢献とされていましたが、

実際には労働力確保の手段がメインとなっていて、

「当初の目的と現場の実態」との乖離(かいり)が指摘されていました。

このため、政府の有識者会議は、「外国人技能実習制度」を廃止し、「人材確保」と「人材育成」を目的とする「育成就労制度」を新たに創設することとなりました。

旧:外国人技能実習制度から

育成就労制度の見直しの最大の焦点は、「転籍の扱い」です。

具体的には、転籍(転職)の要件を緩和し、同じ職場で原則1年以上就労し、日本語のレベルなど一定の要件を満たせば、転籍できるようにするなどとしています。

育成就労制度も監理団体が受け入れの窓口となる仕組みを残すなど骨格は、旧:外国人技能実習制度と大きく変わりません。

そのため、

企業評価書を求めらるケースが出てくる可能性はこれまでと同じようにに存在します

では、企業評価書が必要になるケースについて解説していきます。外国人受け入れを継続して行なうためには、受入企業にしっかりした財務的基盤がなければなりません。

そのため外国人材の受け入れの際の計画の認定にあたって次の書類が必要です。

まず一つ目が、

直近2事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書の写し

二つ目が

資産の内容を証する書類(例えば、直近2事業年度にかかる法人税の確定申告書の写し、納税証明書の写し等)

そして、三つ目がポイントです。

直近期末が債務超過の場合、

中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者の改善の見通しについて評価を行った書面

が求められています。

つまり、企業評価書が必要になるケースは、

・直近期末に債務超過がある場合となります。

なお、法人設立したばかりなどの理由で直近2事業年度の決算書がない場合に評価書を求められた事例も過去にありました

中小企業診断士以外にもや会計士、場合によっては税理士の作成した評価書でも対応可能です。しかし、実際には、評価書の作成経験やノウハウがない専門家も多く、実績のある当社に口コミで依頼を頂くことも多いです。

税理士の先生や会計士の先生からご紹介で相談いただくことも多いです。

当然、中小企業診断士であっても当社のように外国人材の受け入れに係る企業評価書作成の経験実績が豊富な事務所もあれば、少々マニアックな分野ですので全く実績のない事務所もあります。

ご依頼する際には経験や実績の見極めが必要です。

企業評価書の作成ご依頼にあたり、当社でお願いしている、ご準備頂きたい資料は次の通りです。

・履歴事項全部証明書(コピー可能)
・過去3年分の確定申告書・決算書(内訳書含む)
・法人の定款
・(借入がある場合)金融機関発行の借入返済予定表
・(ご準備頂ある場合)会社の事業内容が分かる資料(パンフレットなど)

なお、依頼先や企業様の個別具体的な状況により追加書類求められる可能性があるため、事前に状況をお伝えいただけるとスムーズです。

下記の手順で、外国人技能実習制度の企業評価書の発行業務を行っております。

1.面談によるヒアリング(約1時間30分~2時間程度)

ヒアリング内容は主に

・財務分析  

・債務超過に陥った要因分析  

・債務超過解消のための経営改善策を一緒に検討します

*遠方の場合、zoom面談対応可能ですの全国対応してます

2.ヒアリングに基づく企業評価書の作成

3.企業評価書の発行

深刻な人手不足に対応するため、外国人材の受け入れをする企業も増加しています。今後も益々増えていくでしょう。

最近、既存のクライアントや知人の経営者より「外国人材受け入れのメリット」について質問頂くことも増えてています。

私が考える外国人材受け入れのメリットは次の通りです。

まず一つ目が、「向上心・意欲の高い若い人材の確保」です。特に、これは実際に受け入れを行っている会社の社長がよく話されているメリットになります。

その国のカルチャーによっては日本人より勤勉な若者も沢山いるようですね、

政府が定めている外国人材の受入が可能な職種・業種は、人手不足が深刻な業種が多く、外国人材の積極的な活用を促していると考えられます。

若い外国人材を社内に上手に取り入れることで、活発な営業展開から業績向上・利益向上に結びつくこが可能です。

二つ目が「組織の活性化」です。

日本の技術を習得するという目的意識を持った外国人材が組織に加わることで、彼ら彼女らの仕事に対する姿勢や勤勉さに触れた既存社員良い刺激を受け、社内の活性化につながるようですね。

技能実習生がいることで、積極的に話しかけて伝えたり・教えたり・共有したりする前向きな組織文化が生まれやすくなるため、受入企業から「社員の責任感が向上した」「スタッフ同士のコミュニケーションが改善した」という意見を実際に外国人材を採用している多くの経営者から聞きました。

三つ目が「作業工程の改善」です。

外国人材を受入るためには、作業工程の確認やマニュアル化や働くために必要な基本ルールを整備する必要があります。改めて作業工程やマニュアル、ルールを見直したり制定することが作業効率改善に繋がり、社員のモチベーションを向上させることにもつながる可能性があります。

これも実際によく聞くメリットですね。

他にも沢山あると思いますが、このあたりが実際によく現場で聞く、「外国人材受け入れのメリット」です。

当社は、外国人材の受入に係る企業評価書の作成について豊富な実績があります。

これまで大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県の近畿エリア、富山県・石川県・岐阜県・愛知県・三重県の中部エリア、鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県の中国エリアの事業者様の企業評価書作成に関与させて頂いた実績がございます。

当然、それ以外の北海道・東北エリア、関東エリア、四国エリア、九州・沖縄エリアの事業者様も対応可能です。

zoom面談で関西圏外の事業者様からもスピーディーな納品対応を喜んでもらっています。

また、事業者様だけでなく、技能実習・特定技能の支援に関与させる行政書士や社会保険労務士等の専門家の方々からのお問合せも頂いております。

是非、お気軽にお問い合わせくださいませ。

岸本圭祐

㈱ケーズパートナーズ 代表取締役 中小企業の➀資金調達、➁経営計画作成・実行、➂スモールM&Aを支援している。

コメントを残す