金融機関が行う融資には様々な種類があります。
手形貸付は、約束手形を振り出すことでお金を借りる方法です。
約束手形とは、期日までに所定の金額を支払うことを約束する有価証券の一種です。
書面には、金額・支払期日・受取人・振出日などを記載します。
手形貸付は、基本的に1年以内に返済する短期貸付であり、主につなぎの運転資金を調達したい場合などに用いられる方法です。
なお、手形貸付で融資を受けるには当座預金口座の開設が必須であり、各金融機関の審査を受けなければいけません。
手形貸付には下記のメリットがあります。
■スピーディーな審査
手形貸付は手形が担保になっているため、他の融資に比べて審査項目が少なく、提出する書類も少ないなど手続きに時間がかかりません。そのため、審査が完了するまでの期間が短い利点があります。
■資金繰りに役立つ
手形融資は1年以内の短期融資のため、主に経常運転資金やつなぎ資金など短期の資金繰りに利用されます。取引先から入金があるまでの期間に資金が必要になった場合など、すぐに資金調達できる点は大きなメリットといえます。
一方、手形貸付には以下のデメリットがあります。
■企業の信用力が必要
手形貸付は、約束という信用のもとで成り立っています。他の融資と異なり、手形だけで融資を受けることが可能なので、信用度の低い企業は審査を通過することは難しいでしょう。
審査では短期間での返済能力があるかどうかを企業の財務状況などから判断します。財務状況が良いときに申し込むなど、タイミングや状況を見ながら検討するようにしましょう。
■長期的な融資は受けられない
手形貸付は1年以内の短期融資であるため、設備投資などの高額かつ長期的な資金調達としては向いていません。しかし、返済期日に同額の手形貸付を行い、返済を繰り延べることは可能です。
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