易経において非常に重要な言葉の一つが「時中」です。
何度かブログでも過去に取り上げたこともあります。
第6原則「時中を見極めよ」 – 中小企業診断士 岸本圭祐のブログ (kspartners.co.jp)
直訳すると「時に中(あた)る」です。
「その時にぴったりの」といった意味合いです。
「中」は真ん中や間と言う意味ではなく、「的中」です。
つまり、時中とはその時にぴったりの解決策、その時にぴったりのことをするということです。
時中をしっかり見極めることはビジネスにおいて極めて重要です。
この的を外すと業績が悪化します。
業績の良い会社は時中を押さえています。
時中は時代によって変化しています。
30年毎のサイクルで変化しています。
まず1950年~1980年の30年間。
終戦直後の日本です。
この期間は高度経済成長期と呼ばれる時期が含まれています。
モノ不足の状態でインターネットも当然なく情報も完全に不足している状態です。
情報不足というよりかは、比較するものもないので「情報が不足している状態」ということももはや分からない時代です。
この時代の時中は、もう少し良い方を変えて、この時代の時中を捉えた人は、「モノを与えてくれる人」でした。
三種の神器(3C)と呼ばれる電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビ(白黒)といった家電製品が家にあったら、幸せな時代でした。
「水道の水のように安価ですぐに手に入るものは、生産量や供給量が豊富であるという考えから、商品を大量に生産・供給することで価格を下げ、人々が水道の水のように容易に商品を手に入れられる社会を目指す」という『水道哲学』を松下電器産業(現パナソニック)の創業者・松下幸之助さんが提唱したのをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
この頃は現代よりも幾分商売はしやすかったでしょう。
単一製品大量販売。
みんなと同じことをしていれば売れる時代だったのかもしれません。
その次のサイクルは、1980年~2010年の30年間。
バブル崩壊。失われた30年と呼ばれる時期です。
高度経済成長期とは違い、モノ余りの時代です。
情報は高度経済成長期より豊富になりますが、現代社会と比べているとまだまだ少ない時代でした。
この時代の時中は、「モノを選んでくれる人」、「情報を与えてくれる人」でした。
糸井重里さんの名言「ほしいものが、ほしいわ」がこの時代の時中を象徴しています。
例えば、「価格.com」などです。
SIS、戦略情報システムという言葉が流行ったのもこの時代です。
今なら少し古い感覚を持ちます。
そして、現在我々が生きる時代、2010年~2040年の30年間。
モノはモノ余りが窮まって氾濫している状態です。
インターネットの普及、SNSの普及で情報過多の時代であります。
価値観も多様化しています。
この時代の時中は、「モノを選ばせてくれる人」、「情報を選んでくれる人」です。
メンタリストDAIGOさんは今の若い世代に多くの支持を得ています。
DAIGOさん等のユーチューバーと呼ばれるインフルエンサーが発信した情報を信頼して購買行動します。まさに情報過剰の世の中において、情報を選んでくれる人を求めています。
YouTubeが流行っているのは、情報を選んでくれて、好きなテーマを自分で選べる、チャンネル登録できるからです。
この時代の我々ビジネスを展開する情報提供側のスタンスとしては、
「カテゴリーを絞ってアイテムを増やす」が最適解かもしれません。
例えば、子供服に特化した服屋さん、身長が190㎝以上の服屋さん、
相続・税務調査・個人のどれかに特化した税理士さん、キティちゃんに特化したお土産屋さん等。
徹底的なマーケットリサーチが必要な時代です。
ターゲットとするマーケットが決まれば、徹底的に顧客の声、市場ニーズを調査します。
「選び方は教えます。でも、別にうちで買わなくて良いですよ。」くらいのスタンスが上手くいくでしょう。
情報を選んでくれる人は必然的に信頼感が高まる時代です。
だから、情報発信者は強い時代です。
ホームページの保持は業種問わず必須でしょう。
本日から仕事始めの会社も多いかもしれません。
新年からは時中を意識してビジネスを展開すると、きっと昨年以上に良い成果が訪れると確信しています。
本日は以上です。
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