ビジネスの世界では競争を避けて通ることはできませんが、リソースの限られた中小企業が大企業と正面から競い合うのは現実的に無謀です。
では中小企業は大企業には勝てないのでしょうか。
それを考える上で役立つのがご存知の方も多いかもしれませんが、「ランチェスター戦略」です。
ランチェスター戦略では、 「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」という前提をもとにして「強者の戦略」と「弱者の戦略」に分けます。もともとは第一次世界大戦での航空戦から生まれたが、現代では実践的な経営戦略論、マーケティング理論として活用されています。
ランチェスター戦乱とは、簡単に申し上げると、戦力に勝る「強者」と戦力の劣る「弱者」にわけ、それぞれがどのように戦えば戦局を有利に運べるのかを考えるための戦略論です。
弱者の立場となる、中小企業の経営戦略を考える上で、ランチェスター戦略は非常に参考になります。
ランチェスター戦略のセオリーにおいて、経営戦略の4大領域である「商品戦略」、「営業戦略」、「組織戦略」、「資金戦略」のうち最もウェイトが大きい、つまり重要度が高いのが「営業戦略」となります。
全体の53%を営業戦略が占めています。
参考までに、商品戦略27%、組織戦略13%、、資金戦略7%というウエイト付けです。
営業戦略は、商品戦略27%の2倍程度の重要度があります。
ランチェスター経営を提唱する竹田陽一先生は、「経営は売りが7割に商品が3割」と説明されています。
世の中の社長は、ややもすると職人気質な方が多く、技術的な側面、良い商品を作ることに重きをおく傾向があります。
しかし、今はものが溢れている時代です。
商品のメリットだけで差別化をして圧倒的な地位を築くことが難しいです。
ならば、やはり営業面の差別化は避けて通れません。
「営業!営業!!営業!!!」というくらいに、規模が小さい会社ほど営業が最優先事項であることをしつこく強調するくらいでちょうど良いです。
そういった意味で、営業戦略というのは非常に重要なテーマです。
また、中小企業は営業地域も大事です。
一般的にヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源が乏しい中小企業の営業地域戦略は、マーケット全体を対象とするのではなくて、一部を切り取ってその地域に絞り込んで「営業力」を投入する方法を優先します。
なお、ここでいう「営業力」とは、営業パーソン、DM、チラシ、看板、ローカル雑誌、区民広場などの集合施設など、使えるもの全ての手段です。
ホームページのリスティング広告なども、地域を絞ってキーワード上位を目指せば、それは立派な地域戦略の一つです。
岸本が代表を務める→株式会社ケーズパートナーズ
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