今回は、社長やリーダーが備えておくべき行動原則の最高概念である「自立」について取り上げます。
「自立」というのは自分の足で立つ、つまり自分の考えを持って自分で物事を決められる精神状態のことです。主体的な態度と言い換えることもできます。
例えば、部下や家族、友人あるいは取引先など、全ての周りの人に対して良い影響を与えるという影響力のある人物となることが行動原則のゴールです。
なお、この「自立状態」は抽象的なので、具体的にどういった条件を満たしていればよいのか、という疑問が生じます。
「自立状態」は行動面における2要素で考えると分かり易いです。
具体的には、「自立」について、行動の前(ビフォー)と後(アフター)で2つの側面から成り立つことが分かります。
ビフォーでは、何かを行う前に率先して自発的に行うことが大事です。キーワードは「自発」です。自発的に率先して行動を起こす。これが自立の第一の意味です。
二つ目は行動の後のアフターです。
行動を起こした後、何らかの結果がでますが、たいていの場合、うまくいかないことが多いです。経験的にみて、2対8で8割はうまくいかないでしょう。8割うまくいかないのですが、そこで人のせいにしない。自分の責任として考える。「自分の責任」を縮めて「自責」と言います。自責性というのが二つ目の意味です。
この言葉と反対の意味の言葉は、他人の責任にするということで「他責」と呼びます。よく言われるのは、売り上げが上がらないのは景気のせいとか、政治が悪いから、ライバルが強力すぎるからだ、といった言い訳ですね。
あるいは、お客さんがニーズに気付かないからとか社員が悪いからなど、自分の責任と考えないのが他責です。
自分ができることにフォーカスして目先のことをしっかりする。できることをコツコツやる。それを「影響の輪」と言います。影響の輪の外にあるものを「関心の輪」と言いまして、関心はあるがどうしようもないこと、例えば、今日の天気、景気、他人の気持ちや行動、従業員の心構えなどは、無理矢理変えることができない。だから、従業員の心を変える前に自分の心を変えます。
今の会社は昔と違って、より多様な価値観を持った人の集まりです。社長の考えをゴリ押ししてブラック企業になってはいけません。社長は自責の気持ちを持って、出た結果は全部自分が悪いのだ受け止めることです。従業員より先に社長が動くのです。
社長やリーダーは、率先して行動する自発性を持っているか、そして悪い結果も良い結果も全て受け入れ、自身の力が及ぶ影響の輪の範囲内でコツコツと努力しようと考えることが大事なのです。
全てのゴールは、「自発」、「自責」につきる。人に期待するな。スーパーマンを求めるな。まずはトップ自ら動く。このような心構えは、社長やリーダーにとって極めて重要です。
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