仕事柄、新規事業の相談や事業計画策定の相談に乗っています。
その中で、この事業は上手くいかないと感じることがあります。
そこには共通点があります。
ズバリ、「作れるモノ(作ったモノ)を売る」的発想の事業計画です。
この発想は、「プロダクトアウト」と呼ばれたりします。
企業が作りたいモノや、企業の方針に合致するモノなどを重視しながら製品の開発・提供を行う考え方のことです。
市場のニーズよりも売り手である企業側の考えに重きが置かれており、「作り手が良いと思う製品を開発する」「良い製品であれば売れる」といった考え方がベースにある姿勢だといえます。
孫正義さんやイーロン・マスクさんなどの一部の天才を除いては中々、プロダクトアウト視点では、事業が上手くいきません。
信じられないかもしれませんが、多くの社長はお客様のニーズを見ない傾向にあります。見ているつもりでも、実は見えていないと言った方が正しいかもしれません。やはり自社の作れるモノ(作ったモノ)を売る方が圧倒的に楽だからでしょう。
一方、相談を受けた際に、「あっ、この新規事業はきっと上手くいくな!」と感動することもあります。
そこにもやはり共通点があります。
それは、「売れるモノを作る」的発想の事業計画です。
この発想は、「マーケットイン」と呼ばれたりします。
マーケットインとは、市場(顧客)の立場に寄り添いながら、市場が必要とするモノを提供していく姿勢をさします。言い換えれば、あらかじめ市場のニーズを調査したうえで、これに沿った製品を開発・提供していこうという考え方です。
市場が本当に求めているモノを開発し、提供することを重視している点に特徴があります。
つまり、「売れるモノを作る」です。
では、売れるモノは誰が知っているでしょうか?
ご承知の通り、正解は「お客様」です。
とにかく、お客さんの声を聴きます。毎日聴きます。
対面、アンケート、メルマガ、今ならZoomなども活用できますね。
売れる社長は、お客様のWANTED(欲しいもの)から対応しないと上手くいかないという事実を知っています。理論的に知ってなくても、感覚的に理解されています。
根拠となる統計データはありませんが感覚的に下記のように感じます。
世の中の社長は、
「売れるモノを作る」(マーケットイン)的発想の社長は5%
「作れるモノ(作ったモノ)を売る」(プロダクトアウト)的発想の社長は95%
ということです。
中小企業のマーケティングは、テクニックどうこうよりもこの前提の発想により、良いマーケティングと悪いマーケティングに分別されると考えています。
「作れるモノ(作ったモノ)を売る」的発想のまま流行りのSNSマーケティングを取り入れても恐らく上手くいかないでしょう。
95%の社長が、本能的に「戦いのち勝ちを得んとする(キセキ)を待つ」状態で新規事業に臨んでいます。
ですので、多くの会社はご支援できないかもしれません、場合によってはお断りをすることもありますが、当社にご縁のある社長には、「勝ちを得てしかるのちに戦う」、潜在的に勝てる5%の社長になっていただく支援スタンスでお付き合いさせていただいてます。
まさしく私の仕事の価値は、対話を通じて社長をマーケットイン的発想に導くことと考えています。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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