今回は、なぜ社長はわざわざコミュニケーション技術を学ぶ必要があるのか?について考えてみたいです。
社長の立場で考えると、まずは社内における部下とのコミュニケーションがあります。
社長が自分から指示を出したり、話をしたりする一方、部下の方から話をすることもあります。
社外では、市場(マーケット)におけるお客様との間でコミュニケーションがあります。
会社の規模が小さい場合、社長が直接お客様にお話するケースが多くなります。
会社の規模が大きくなってくると、だんだん社長が市場と直接接触する機会は減ってきます。
その場合、市場とのコミュニケーションを部下が行うケースが増えてきます。
そして、社長は、社内のコミュニケーション機会が多くなります。組織が大きくなればなるほど、社内のコミュニケーション比率が高まります。
会社が大きくなるほど、社内の従業員同士であっても、上司・部下の関係が生じてきます。
また、営業と総務、工場と本部や研究開発部のように、他の部署との連絡関係が複雑になっていきます。
会社の内外における色々なところで、人の数が増えればそれだけ、コミュニケーションが複雑になります。
一般的に、社長のように立場が上になればなるほど、自分の話をしたがる傾向にあります。
自分の話が8割、相手の話を聞くのが2割などというケースが増えます。
しかも、概して本人にはその自覚がありません。
「私は物わかりの良い社長だ、私は部下の話を聞いている。」と言っている会社で、部下に実際はどうかを聞いてみると、「実は全然話を聞いてくれない」などということはよくあります。
このようなコミュニケーションギャップは、日常茶飯事です。
上司と部下、あるいは社長と従業員のように、上下の関係になると、権力を背景にして上の立場の人の発言力が強くなるので、部下はたいてい遠慮してしまいます。
これは人情としてもありえることでしょう。
ただ、そのあたりを汲み取ってコミュニケーションをしないと、一方通行で社長の思いばかりを言っていて、従業員や部下は、仕方なくそれをうなずくだけになります。
私の経験則では、原則として世の社長は裸の王様になりがちだ、と思っておいた方が無難です。
社長の立場で、従業員とのコミュニケーションは常に足りていない、と思って自分を引き締めるべきでしょう。
したがって、「自然状態では部下との交流はできていない。だから、積極的にコミュニケーションのやり方を学んで、自分から歩み寄る態度を示さなければならない。」という意識が社長にとって、重要なポイントとなります。
岸本が代表を務める→株式会社ケーズパートナーズ
コメントを残す